料理というのは、数多の家事の中でも最も厄介な存在ではないだろうか。
時間もとられるし頭も使う、そのくせ消費される時は一瞬。
家事としての料理が面倒なのは、料理が嫌いだからとは限らない。
むしろ料理好きの人だからこそ家事としての料理に虚しさを覚えるということもあるはすだ。
全力でさぼりたくなる一方で、食事というのは生活の基本、また自分や家族の体に直接入るものであるからして、毎日カップラーメンで行こう、なんて思い切ったことができる人はそうそういないと思う。
最近はホットクックなどの「材料入れてほっとくだけ」な電気調理器が、忙しいご家庭の皆さんに人気なようである。電気調理器で料理がバリバリ捗ってて、料理問題が完全解決した方にはこの記事は関係ない(優越感を持って楽しんで読んでいただくのはオッケー)
しかし、経済的な・スペース的な理由で電気調理器を持っていない方、あるいは我が家のように家族から反対の声が上がって(私の夫は料理にやたらとこだわりが強く、電気調理器の調理の仕方ではどうしても料理の味がいまいちになると主張しており…実際のところはわたくし存じません)購入に至っていない方、またあるいは電気調理器を持って使っているけれども、別の選択肢も持っておきたいとお考えの方に、一つのやり方として読んでもらえれば。
毎度の如く長いですが、お付き合いください。
料理の何が面倒であるか
よく知られている通り、料理が面倒なのは準備段階だ。
より正確に言うと、レシピの決定>買い物。
これがとにかく面倒くさい。
レシピの決定には栄養バランス・現在の旬・家族の好み・予算など、考慮に入れねばならないことが山ほどあるし、ようやくレシピが決まったとて、買い物の段階で変更を余儀なくされることも多い。
人の多いスーパーでまごつきながら食材をかき集め、家に帰ったらもうグッタリ。
そんな状態からレシピサイトをスマホで開いてチラチラ見ながら何品も用意する、さらに日中仕事がある人ならば、これら全てを仕事の後に行う必要が…。
まあ、あまり愚痴っぽくなるのもアレなのでこの辺にしておくが、
とにかく「何を作るか」を決めるのが面倒であって、ここをいかに簡単にするかが、毎日の料理を楽にするかの最大のポイントであるように思う。
何を作るか、を決めづらい理由
「何を作るか」を考えるのが面倒なのはなぜか。ここを考えてみると、
まず一つに、世の中にレシピが多すぎるということが挙げられる。
例えば「肉じゃが」一つ作るにしても、がっつり系だのあっさり系だの豚だの牛だのカレー味だの無限だ有限だのと、とにかく大量に資料があってどう選んでいいかわからない。
プロの料理人の名からこの人、という人を何人かピックアップしておいて、その人のレシピという括りで探すようにするといくらか楽になるが、そうなると実は、もう一つの理由の方にぶつかったりすることがある。
そのもう一つの理由というのが、ここが最大のところだが、とにかく食材の組み立て、組み合わせがややこしいということだ。
星の数ほどあるレシピは、いずれも必要とする材料が微妙に異なっており、決定の際には、材料全てがその日に入手できるものであるかを考慮しなければならない。
これはブラウンマッシュルームとかローズマリーとかの比較的珍しい食材がいつものスーパーで入手できるかどうか、という「レア食材ゲット問題」だけに限らず、いくらでも安く買えると思っていたネギやニラ、キャベツなどのいつメンが不作によりアホみたいに高かったり、安売りや時間帯の都合で売り切れていたりといった「アンラッキー問題」、また、冷蔵庫に余った食材をなんとか消費したい、という「あまりもの縛り」、さらにご家庭によっては「幼児が食べられるもの縛り」「アレルギー縛り」などの縛りプレイを余儀なくされる…ああダメだ、また愚痴っぽくなってしまった。とにかく。食材の組み立て。
ここが、レシピ決定をややこしくしている大きなポイントだと言える。
家事としての料理に求められる要件
料理の面倒ポイントは食材の組み合わせであるという結論に至ったので、
次に、家庭の料理に必要なこととは何か、目指すべき形とは何か。ここを考えてみようと思う。
栄養のバランスが良いこと。美味しいこと。バリエーションが豊富にあること。
このあたりは頭に浮かびやすいけれども、では栄養バランスの良い宅配食でいいではないか、という疑問もうかぶ。
家庭料理に求められていることは、他にもある。
それは「手作りであること」「出来立てであること」「家族の好みを反映していること」。
こうやって並べてみるとかなり贅沢な感じがするが、毎日コンビニ食、毎日宅配食、毎日惣菜、毎日冷凍食品ではちょっと…。
と考えてしまう理由は、結局この3つに集約されているように思う。
我が家の手抜き料理が目指した形
よって、私が考える「最強の手抜き家庭料理」は、
下記の条件を満たすものである。
・買い物・調理・片付けが最小限の手間で済む(これは当然)
・レシピを選ぶときに迷わなくて済む。
・食材の組み合わせに悩まなくて済む。
・毎日バリエーションがあり
・栄養バランスがよく
・出来立てのものが食べられる
・家族の好みが反映できて
・手作り。
では、この条件を満たす料理とはどういうものか?
長くなったので次回に行きます。
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[…] 前回は、手抜き料理の条件をまとめた。 […]