わっしょいわっしょいお祭りだ
いや〜これは凄かったですね!友人と一緒に公開初日くらいに観に行ったのですが、私も友人も、観賞後は完全に混乱していました。
「どえらいもの観ちゃった」って感じで。
お花畑でグロテスク。みんな笑顔で残虐行為。
そのくらいのことは予告から伝わってくるしそのくらいならまだ許容できるんですけども、何だろう?
現代日本の感覚ではタブーとされてる行為・考えがバンバン画面に映し出される中、登場人物たち(現代・こっち側の人たち)も圧倒されるばかりで大したツッコミを入れてくれないので、
「盛大なボケを延々と垂れ流すコント(ボケとツッコミの比率が98:2)」
みたいな不安感がずーーーっと続くの。
「えっ、おかしいのはこっちなの?いやそんわけはねーわ、ねーけど、なんなの?あれ、画面綺麗…えっ?えっ…これは笑っていいの?」
てな感じで、いっこまえに起こったことが処理できないうちに次のことが起こるし、映画の構成的にも「ジャーン!こういうことでした!」みたいなわかりやすい話になっていない。
正しい・分かりやすい道筋に戻してくれる人がどこにもいない。
そして最終的には頼りにしてた少数のツッコミたちもボケの勢いに呑まれちゃって混乱度MAXのまま映画は終焉へ。的な。
なんだろう私困っちゃう。
気持ち悪いのはカルトだけではない
予告編とか見てると、このカルト村がきもちわるいんだなってのは伝わるじゃないですか。
それも実際そうなんですけど、実を言うと、主人公側の人間関係もそうとうに気持ち悪い、というか居心地悪いんですよ。
なんかロクなやついないし。笑
主人公カップルの関係もロクでもないし。
でもこのロクでもなさ、よくあるやつなんですよね。
よく世間で目にするやつ。
よくあるけど、映画なんかでは描かれたことがないタイプのロクでもなさなので、映画で描かれていること自体がどうにも気持ちが悪い。
カルトはカルトで「非現実的きもさ」なんだけど、人間関係は人間関係で「妙にリアルなきもさ」が醸し出されていて、これが相乗効果を生み出している。
キモ×キモ。
きもちがわるすぎて逆にきもちいい。
なんかこのレビュー文章もきもちわるいね。ごめんなさいね。
映画体験として最高
はっきり言ってそんなに意外性のある展開ではないし、ストーリーがすごく印象に残る映画でもないです。
でもこの感覚・きもちわるさを体験するってことはなかなか出来ることじゃないなと。
「違和感・不安感・不快感」を楽しみ、最終的にはそこに飛び込むことでカタルシスを感じるという新しいエンターテインメント。
泥水の中で相撲するみたいなもんですよ。
最初は、うえー気持ち悪い!とか言って必死に汚れないようにするんだけど、そのうち気づけば自分から泥の中にダイブしてる感じ。
完全にキモいけど、クセになるのよねー。
アクション的な要素はないし基本的にはゆったりしたペースで進むので「映画館じゃなくてもいいよね映画」だと思われがちだけど、これは映画館で観たほうがより「きもちわるさ」をダイナミックに感じられると思います。
いやー、めっちゃ面白い。
映画ってまだまだ可能性無限大ですね。
新感覚が好きな方にオススメ
「炭味のソフトクリーム」とか「コーンポタージュ味のガリガリ君」とかのゲテものじみた(失礼)商品を発見すると「うへ〜」とか言いながら絶対いちどは食べてしまう、みたいな冒険好きのあなたにおすすめの映画です。
逆にこういう商品をみて「誰が買うんだよ…」と完全にドン引きしてしまう方、実際食べてる人を見てさらに引いてしまう現実的なあなたはやめておきましょう。
ちなみに私は「うへ〜」とか言いつつ、友達が買ってたら「マジで〜!?」とかテンションが上がってしまい、ひとくち貰って後悔するタイプです。調子いいですね。
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