結婚という、このありふれたものの恐ろしさ。「ゴーン・ガール」

先日Netflixで観直しまして、改めて、すんごい映画だなーと思ったのでちょっと感想を。

<こんな人にオススメ>
・夫婦生活、恋人との関係に疲れた方に。
・これから結婚するご夫婦に。
・サスペンスでドキドキしたい方に。

なお、ネタバレはしない方向で書くことにします。

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あらすじ

5回目の結婚記念日、ニック・ダンの妻エイミーが失踪する。

2人の家に散りばめられた謎のヒント、事件を追い加熱する報道。

少しずつ明らかになっていく2人の壊れた結婚生活、ニックの過ち。

エイミーはどこに消えたのか?…というのが簡単なあらすじ。

これ以上書くと全てネタバレになっちゃうからすごいよね。

上質なサスペンス

この映画、とにかく最初から最後までまったく緊張感が途切れないんです。

伏線を山ほどばらまいた側からすぐに回収していってくれるので、とにかく見てて爽快感があります。

テーマは重たいですけど、まずサスペンスとして、エンターテインメントとして一級品。

ものすごく上手いマジシャンが、マジックを見せたそばからすぐにその種明かしを見せてくれたら、絶対面白いし目を離す隙ないじゃないですか。そんなかんじの面白さです。テーマは重たいけど!

デヴィッド・フィンチャーってホント映画撮るの上手いね(馬鹿みたいな感想)

ニックという男、エイミーという女

女性の皆さん、パートナーに対しこんなふうに思ったことありませんか。

「男ってホント、単純で馬鹿だな」って。

男性の皆さん、パートナーに対しこんなふうに思ったことありませんか。

「女ってホント、めんどくさいな」って。

思い当たる節のあるあなたは必ず、この映画の2人の主人公に自分のパートナーの姿を見るでしょう。

そして男性はニックの中に、女性はエイミーの中に、自分自身の姿をも見つけるでしょう。

そして思いっきり不快になります。笑

この映画で描かれるのは、運命みたいなロマンス、ときめきが徐々に凡庸な日常に飲み込まれていく残酷な時間、そしてくだらない喧嘩、ありきたりな、つまらない結婚生活。

結婚というもののある側面からのリアリティをはっきりと描いている。

サスペンス映画ではありますが、この点においてこの映画は立派なホラーです。

日本では「アメリカの夫婦はしっかりコミュニケーションしててお互いを尊敬し合ってて…」なんて幻想が不用意にばらまかれてますけれども、やっぱりアメリカも日本も同じなのねえとか思う。

結婚って恐ろしいね!

結婚は茶番である

恋愛してお互い好き合った男女がそれからも末永く愛し合って暮らす…なんていうことは、もちろん絶対に無理なことではないですけども、少なくとも、結婚という契約一つで簡単に手に入るようなものではないんですよね。

私はどこまでも私自身であって、あの人はどこまでもあの人自身のまま。そこに紙切れ1枚置いたところで、何も変わることはないんです。

結婚生活というのは言ってしまえばどこまでも実態がない、豪華なハリボテ、手の込んだ茶番でしかない。

ニックとエイミーがたどり着いた茶番の形ははっきり言って悪夢としか言いようのないものでしたけど、そこで交わされる約束は、私たちが日常で見慣れたものと同じ形をしていたりする…SNSで見る家族の姿はいつも幸せそう。みんな笑顔で、満たされているように見える。でもその内情は誰にもわからない。

結婚は茶番だけれど、すべてがこの映画のような悲劇に向かうわけではない。

私たちに出来ることは、自分のパートナーを愛し、許し続け、期待を手放し続けることなのでしょう。

どうせ茶番なら、どこまでも幸せな茶番であるように。

まとめ

結婚生活の恐ろしさを体験できるホラームービー「ゴーン・ガール」。

離婚を決意するきっかけが欲しい方にもオススメです…

アマゾンプライムでレンタル可。週末、ご家族での視聴にはまるで向いてませんけど…笑

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