繭を破って初めて蝶になれる

ただ思ったこと

芋虫は、蝶に生まれたことを自分で知っているわけじゃない。

ただ、時が来ると本能に従って繭を紡ぎ、来るべき時まで眠り続ける。

眠る、眠る…。

長い時間の中で、芋虫の体は変わっていく。

変体していくことを、彼らは知っているわけじゃない。ただ、それはそういうものとして、起こる。

ついに蝶としての体が完成し、自ら繭破く時も、彼らは自分に羽が生えたことを知っているわけではない。

生えたばかりの柔らかい羽を初めて羽ばたかせる時も、

もはや無用になったその場所を離れて飛び立つ時も。

彼らはその先に希望があるのかどうかを知っているわけではない。

 

人間の心は、

いつも未来を知りたがる。

繭に入ったら、自分がどうなるかを知りたい。自分にきちんと羽が生えたかどうかを知りたい。飛べるようになっているかどうかを知りたい。飛んで行った先に、安息の地があるかどうかを知りたい。

誰にもそんなことはわからない。それでも知りたいと思う。

「大丈夫かどうか、ちゃんとわかるまで私は動けない。」

そうやって、心が繭の中に入ったきりで止まったまま、どれほどの時間が過ぎたのもわからないままでいる。

人間には、時々そういうことが起こる。

周りがどんなに「きっと大丈夫だ」と叫んでも、最後に繭を破くことは、羽ばたくことは、誰にも代わってやれない。

どんなに怖くても、自分でやるしかない。

何も分からないけど、希望を持って一歩を踏み出すしかない。

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